• 消費が爆発している中国に進出したいけど、何からやればいいか分からない。
  • 中国進出は決めているが、できる限りリスクを抑えたい。
  • 貿易や決済、現地でのオペーレーションなど手間のかかることは、できればアウトソースしたい。
中国進出で、こんなことをお考えではないでしょうか?
そんな方には、近年大変注目を集めている中国のECサイト、天猫国際(Tmall Global)への出品を、ぜひご検討下さい。

 

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天猫国際(Tmall Global)とは?

天猫国際(Tmall Global)とは、中国最大のインターネット企業、阿里巴巴(アリババ)が2013年に開設した、越境EC専門のモールです。

 

中国では、2003年にアリババグループが開設した、C2C(消費者間取引)のマーケットプレイス「淘宝網(タオバオ)」と、B2C(企業が個人消費者を対象にする取引)を行う、「天猫(Tmall)」の2つのモールに分かれています。

 

「淘宝網(タオバオ)」の強みは、非常に安い商品が数多く揃っていることでした。しかし、個人でも参入できる取引であるため、中には悪質な出店者が、偽物や欠陥品の発送や、詐欺などを行なっていました。

 

これを背景として、アリババは、2008年にB2CのECモールである、「天猫(Tmall)」を開設し、企業から個人への販売に限定することで、取引の信頼を上げることを目指しました。

 

その後、中国人消費者が「安いもの」から「品質の良いもの」を求めるようになりました。アリババは、その需要を満たすため、2013年に、中国国内にいながら海外の商品が購入できる、越境EC専門の「天猫国際(Tmall Global)」が開設されました。

 

2017年現在、全世界で60カ国以上の商品が販売されており、15,000以上のブランドが登録されています。

天猫(Tmall)が注目されている3つの理由

メディアで目にする日がないほど、中国人の消費動向が注目されています。その中でも特にEC市場が注目をされており、特に天猫(Tmall)が注目されています。なぜ、天猫(Tmall)が日本の注目を集めているのでしょうか?

 

1.中国国内ECでナンバーワンのシェアを持つ

大和総研によると、2016年の中国のEC市場規模は90兆円を超え、そのうち54.7%をTmallが占めています。
市場シェア2位のJD.comの23.4%と比較しても、倍以上のシェアを持っており、中国国内では圧倒的なシェアを持っています。

2.独身の日の1日あたりの売上は1.9兆!

中国では11月11日を独身の日と呼び、その日にアリババでは大規模なセールが行われます。2016年の独身の日のわずか1日で、アリババグループのECサイト合計で約178億ドル(約1兆9,400億円)を売り上げました。
インターネット市場に強いリサーチ企業のeMarketerによると、独身の日の売上が、ブラジルの2016年1年間のEC売上高を上回ったようです。

3.「爆買い」の次の手

2015年頃に、中国人の「爆買い」が話題になったのは、記憶に新しいでしょう。中国国民が、中国製の安い製品ではなく、日本製の高品質の製品を買いたがっているという需要と、日本製品の価格の安さが後押しし、「爆買い」が流行語大賞となるくらい注目されました。

 

しかしその後、中国の景気低迷や、反日意識の強まり、中国人観光客が「モノ」から「体験」を求めるようになったことなど、複数の要因により爆買いが減少しました。実際、訪日中国人の平均購入額は、2015年のピーク時の約17万円から、2016年には10万円にまで落ち込んでいます。

 

その結果、訪日中国人観光客に対して、帰国後も商品購入をリピートしてもらうことが課題となりました。そこで、注目されたのが、中国国内にいながらも日本の商品が購入できる越境ECという手法です。そのため、中国越境ECの筆頭となる天猫が、注目を集めているのです。

 

4.天猫国際では日本の製品が最も売れている

天猫国際では、どこの国の商品が最も売れているのでしょうか?こちらのチャートは、2016年の国別売上ランキングです。
日本が全売上のうち19.3%を占めており第一位となっています。その次に、アメリカの18.3%、韓国の13.6%と続きます。

図:天猫国際における売上の国別割合

 出所:大和総研

 

爆買いにも見られたように、日本の高品質な製品は、天猫国際上でも大変人気があることが分かります。

天猫国際(Tmall Global)で売れている日本の製品は?

それでは、天猫国際ではどのような日本製品が売れているのでしょうか?
以下のチャートは、国別の売上の内訳です。日本では、美容系の用品やオムツなどの日用品、洗剤などが中心となっています。
図:天猫国際における国別の人気製品
出所:大和総研
他の国と比較して、直接口に入れるものや肌につけるもの、乳幼児用向けの製品など、安全かつ高品質なものが購入される傾向にあります。

天猫国際(Tmall Global)に出店している日本企業の3つの事例

1.独身の日に4億5000万円売り上げた「キリン堂」

大阪に本社を置く、日本最大級のドラッグストアーチェーン店であるキリン堂は、2014年に天猫国際に出店を開始しました。当時は、爆買いがまだ始まっていない段階で、中国越境EC市場は日本国内ではまだほとんど認知されていませんでした。
しかし、アリババのジャパンのオファーを受け、中国への視察などを経て、キリン堂は天猫国際への出店を決意。2015年の独身の日には、1日で4億5000万円の売上を記録し、前年比2.4倍の実績を上げました。

2.紙オムツが異常な人気を誇る「花王」

中国人がオムツを大量購入しているシーンがテレビで放映されるのを、目にした方は多いでしょう。2014年には花王がタオバオ上で最も売れている日本メーカーとなりました。
中国では日本の紙オムツ需要が非常に高く、2015年10月には紙オムツ「メリーズ」ブランドを展開する花王が、アリババと戦略的提携を行いました。

 

3.国内百貨店として初めて参入した「三越伊勢丹」

2016年11月には、国内百貨店としては初の、三越伊勢丹が天猫国際に出店を開始しました。11月25日に行われる大型キャンペーン「ブラックフライデー」に合わせて、商品の本格販売を開始しました。
出店のきっかけとなたのは、三越伊勢丹グループが日本で展開する店舗の売上の中国人消費者の割合でした。2015年〜16年の免税売上のうち、70%が中国人消費者によって占められていたようです。
そのため、中国国内にいながら、商品が購入できる状態を目指し、売上の向上を目指したことが、参入の決め手となりました。

 

天猫国際(Tmall Global)出店の5つのメリット

それでは、日本企業にとって、天猫国際で商品を出品することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、3つに絞って天猫国際出店へのメリットをご紹介します。

1.モールのブランド力が高く、商品が売りやすい

天猫国際は中国の中ではシェアナンバーワンのECモールであるため、中国人消費者の中で圧倒的な信頼感があります。会員数は6,500万人以上を誇り、巨大なマーケットに対して商品をリーチさせることができます。
そのため、ゼロから販路を開拓する必要がなく、天猫国際のブランド力を利用して、商品を効率良く認知させ、購入してもらうことが可能になります。

 

2. 日本法人で出店可能、現地法人がなくても良い

これまで日本企業が海外進出をする際、現地法人を設立することが一般的でした。しかし、中国では突然の規制変更や、人件費の高騰が起っており、撤退を余儀なくされる日本企業が後を絶ちません。しかし、天猫国際を利用した「越境EC」の手法では、現地に法人を設立する必要がなく、不安定かつ高リスクな中国市場に対して、低リスクで進出することができます。

 

3.中国に銀行口座を開設する必要がない

中国でビジネスを行う際に、現地銀行口座の開設するのは大変面倒で手間がかかります。しかし、天猫国際を使用すれば、中国に銀行口座を開設する必要がありません。アリババグループの「アリペイ」という電子決済サービスにより、売上を日本円で受け取ることができるのです。そのため、天猫国際では手軽に国際取引を行うことができます。

 

4.日本から直送可能なため、在庫の紛失リスクが低い

貿易を行う際、常に気がかりとなるのは、在庫のリスクです。特に自社が在庫を所有した状態で、海外の倉庫に保管するのは不安になります。日本と異なり、盗難や紛失のリスクが高いからです。

 

しかし、天猫国際を利用すれば、日本に在庫を保有したまま、中国人消費者に商品を販売することができます。中国側から注文が入り次第、日本の倉庫から現地の消費者に配送するスキームを採用しているため、在庫管理のリスクを最小にすることができます。

5.テストマーケティングを行うことができる

中国に本格的に参入する前に、自社の商品がどれほど売れる可能性があるのかを、調査する必要があります。その手段として、天猫国際は有効です。天猫国際上で商品を出品し、そこでの販売実績を元に、本格的な中国進出の戦略を立てることができるのです。

 

天猫国際(Tmall Global)出店のデメリット

中国へ発送するための送料が高い

天猫国際上で商品の注文が入った場合、日本から現地消費者に発送を行います。そのため、中国国内に在庫を保有し、現地消費者に発送する場合と比較すると、送料の負担が高くなります。

出店費用が発生する

天猫国際に出店するには、出店保証金、年会費、売上手数料が発生します。

ECサイトの運用費がかかる

天猫国際に出店するだけでは、商品は販売できません。そのため、天猫国際に出品した商品を認知させ、出品から発送までを行う代行会社に依頼することが一般的です。そのため、代行会社への委託費用がかかることが多いです。

天猫国際(Tmall Global)の8つの出店条件

中国に低リスクで効率的に進出する上で、非常に魅力的な天猫国際ですが、厳しい出店条件が設けられています。こちらでは、天猫国際の出店条件を8つご紹介します。

1. 外資企業であること

社名・商標登録を中国国内で行わなくても、出品は可能です。

2.ブランド製品を販売できること

自社所有のブランド、あるい授権されたブランド、あるいブランド所有会社から、完全な入荷証明書類があることが条件になっています。

3. 商標を取得していること

小売店なら第35類の商標を取得していなければなりません。それ以外は各ジャンルに適した商標を取得する必要があります。

4. 規模が相当大きな大手企業

天猫国際は、出店企業のブランド力を重視します。そのため、ブランド力のある大手企業であることが条件となります。

5. 業界Top3であること

ハードルが非常に高く感じられますが、業界の中で3番手以内に入る企業が出店対象となります。

 6. 日本で誰もが知っているブランド

日本国内において、強いブランド力があることです。

7. 天猫で出店した後、売上に期待できる

天猫国際上で、売上が上がることが予測される商品が出店の対象となります。

8. 越境EC専門チームを持つこと

天猫国際上に出品するだけでは、製品は認知されません。また、天猫国際では、常にユーザーからの問い合わせがあるため、カスタマーサポートも必須です。そのため、天猫国際の運用を行うチームを持つことが必要なのです。

天猫国際(Tmall Global)への出店方法

天猫国際への出店には、どのような方法で出店できるのでしょうか。天猫国際には出品代行会社を利用することが一般的です。代行会社に依頼した場合、出店のステップは以下のようになります。

1.事前審査

まずは、出店条件に当てはまるかどうかが審査されます。先にご紹介した、8つのポイントを満たしているかどうかが、審査のポイントになります。事前審査に通過した後、1度目の入金が必要になります。

2.本審査

事前審査に通過した後、本審査に移行します。このタイミングで、アリババに必要書類の提出を行う必要があります。本審査に通過した後、2度目の入金が必要になります。

3.店舗ページ作成

本審査に通過した後、天猫国際上に販売ページを作成します。商品の登録を行うために、商品画像やバナー、商品紹介の文言作成が必要になります。

4.天猫国際オープン

店舗開設後、出品が開始となります。

天猫国際出店に成功するための5つのポイント

天猫国際に出品をしただけでは、商品は売れません。むしろ、出品をしてからどのように運営をするかが、成功のカギとなります。ここでは、天猫国際で成功するために、出品後の5つのポイントをまとめました。

1. ブランディングを行う

既に中国人に対してブランドが浸透している商品であれば、天猫国際に出店することで、さらなる売上向上が期待できます。しかし、まだ認知されていない商品の場合は、ブランディングを積極的に行うことが重要です。そのためには、WechatやWeiboといった中国独自のSNSなどを利用することが効果的です。

2. 価格競争に負けない

これまでは、「日本製品は高品質」というイメージで、中国人消費者は日本製品を購入する傾向にありました。しかし現在は、品質のみでなく、価格にもシビアになりつつあります。
そのため、中国人消費者にとって、いかに安く、高品質なものを購入できるかが重要なポイントになりつつあります。そのために、商品価格をできる限り下げることや、送料を下げる、クーポンを発行するなどの施策が効果的です。

3. 常に在庫が十分にある

天猫国際は在庫共有に非常にシビアです。在庫を切らしてしまうと、店舗の評価が下がってしまうからです。そのため、あらかじめ十分な在庫を確保し、消費者に共有できる状態を構築する必要があるのです。

4. 中国人向けにローカライズする

中国人と日本人は嗜好性が異なります。そのため、中国人に合わせて、モールのページや商品写真をデザインすることが重要です。特に中国人消費者は日本と比較し、商品の画像の質にはこだわりが強い傾向にあります。

5. Alibabaと有効なネットワークを構築する

天猫国際に出品を行うためには、出品審査を通過させることがまず第一ステップです。そのためには、天猫国際を運営する、アリババの担当者と信頼関係を築いておく必要があります。アリババとの関係を構築することで、様々な点で販売に有利な状況を作ることができます。

中国越境ECのポテンシャルは1.3兆円!

経済産業省のデータによると、中国から日本の越境ECのポテンシャルは、2014年の6064億円から、2018年には1兆3943億円になると予測されています。わずか、4年で2倍以上も市場が拡大すると予測されているのです。
急拡大するポテンシャルのある中国の市場に進出する上で、今後天猫国際は欠かせない存在となるでしょう。そのため、中国進出に参入を検討されている方は、早めに天猫国際への出品に取り組むことをおすすめします。